住宅ローンは金額が大きいだけに、小さな金利の差が、返済負担の大きな違いにつながります。
ですから、金利はできるだけ低く抑えたいものですよね。
金利を引き下げる方法としては、借り換えだけでなく、金利の引き下げ交渉があげられます。
もし現在返済中の金利を交渉で下げることができれば、借り換えの手数料や手間が省けるので、それに越したことはありません。
「住宅ローン金利の引き下げ交渉はできるって聞いたけど、実際どうすればいいの?」
「金利交渉は、どのタイミングですればいいの?」
と思いますよね。
そこで、今回は住宅ローン金利の引き下げ交渉の方法を手順やポイントを踏まえて詳しく紹介していきます。
住宅ローンをお得に借りる術を知っておきましょう。
■目次
住宅ローン金利は交渉で引き下げることはできるのか?
結論から言うと、住宅ローンの金利交渉は可能です。
むしろ人生でかなり高額な買い物なので、0.1%でも金利を引き下げることができれば、トータルの金額をかなり減らすことができます。
そして、金利交渉は、「新規に借り入れする住宅ローン」と「すでに借り入れしている住宅ローン」のどちらについても可能です。
以下で、その両方についてご説明します。
住宅ローンの金利引き下げ交渉の手順【新規借り入れ編】
金利の引き下げは、自分自身の交渉力などに頼るのではなく、正しい段取りで金利引き下げ交渉を行いましょう。
新規借り入れする住宅ローンの金利引き下げ交渉には以下の4つの手順があります。
- 各銀行の金利や条件を比較する
- ハウスメーカーや不動産仲介業者と金利交渉する
- 銀行と金利交渉する
- 銀行の金利優遇制度を利用する
ただし、この手順を踏んでも金利引き下げに必ずしも応じてくれるわけではないので、ご了承ください。
以下で、それぞれの手順を具体的に説明します。
各銀行の金利や条件を比較する
交渉の前に、まず、いろいろな金融機関の住宅ローンの金利を比較しましょう。
候補となる銀行の住宅ローンについての情報を集めます。
自分が検討している金融機関の住宅ローンの金利が、他の金融機関と比べてどの水準にあるかを知ることが重要です。
もし仮に、検討中の住宅ローン金利が低い水準にある場合は金利の引き下げは、できない可能性が高くなります。
また、他にも団体信用生命保険やその他のサービスについても調べておきましょう。
ハウスメーカーや不動産仲介業者と金利交渉する
仲介してくれるハウスメーカーや不動産業者に、希望の金利をはっきり伝えておきましょう。
ローンの審査が通らなければ、お客さんだけではなく、ハウスメーカーや不動産業者も困ってしまいます。
このことから、ハウスメーカーや不動産業者も頑張って、低金利で住宅ローンを借りられるようにします。
ハウスメーカーや不動産業者は金利交渉しやすい銀行やローン審査に通りやすい銀行など、いろいろな情報を知っているので、少しでもお客さんの望む金利で住宅ローンが借りられるように、知恵を絞ってくれます。
銀行と金利交渉する
銀行と金利交渉するのはハウスメーカーや不動産業者なので大丈夫です。
交渉するパターンは以下のような場合がほとんどです。
- 業者の方が銀行に交渉する。
- 本審査に申し込みするとき、業者の方と一緒に交渉する。
前もって伝えた希望の金利をもとに、手慣れた業者の方が金利の引き下げをする交渉をしてくれます。
銀行の優遇制度を利用する
銀行の優遇制度を満たせば、金利を引き下げることができます。
一般的に優遇金利と言われています。
優遇制度が適用される条件は以下のようなものがあげられます。
- 普通預金や定期預金の口座を作っておく。
- 銀行のカードローンを契約する。
- 銀行が提携しているクレジットカードの契約をする。
- 給料の振り込み口座や公共料金の引き落とし口座にする。
ただし、銀行によって条件が異なる場合があるので、詳しい内容はこちらから積極的に聞いても大丈夫です。
住宅ローンの金利引き下げ交渉の手順【現在返済中の銀行編】
次に、現在返済している住宅ローンの金利を交渉する手順についてご説明します。
現在返済している住宅ローンの金利を交渉するには以下の3つの手順があります。
- 他の銀行で借り換えの事前審査を受ける
- 金利引き下げの余地があるかを確認する
- 実際に担当者と金利引き下げの交渉をする
以下で、それぞれの手順を具体的に説明します。
他の銀行で借り換えの仮審査を受ける
現在借り入れている銀行との交渉材料として使うために、借り換える候補の銀行で事前審査まで受けておきましょう。
なるべく金利の低い銀行を3つぐらい選び、もし借り換えた場合にどれくらいの金利で、どれくらいの金額が借りられるかを把握しておきましょう。
金利引き下げの余地があるかを確認する
他の銀行で借り換えを検討中であることを今の銀行に伝え、金利交渉の余地があるかどうかを確認します。
今までの返済状況に問題がなければ、交渉の余地があると回答をもらえる場合があります。
実際に担当者と金利の引き下げ交渉をする
他の銀行で受けた事前審査の結果を持っていき、実際に担当者と金利の引き下げ交渉を行います。
交渉の際は以下の2点を強調しましょう。
- いろいろな手数料を考慮しても他の銀行に借り換えた方が有利であること。
- 金利〇〇%まで引き下げられるのであれば、他の銀行には借り換えないこと。
もし、交渉が失敗しても金利が上げられることはありませんので、堂々と交渉していきましょう。
住宅ローンの金利交渉のおすすめのタイミング
交渉は基本的にいつでも行うことができます。
ですが、交渉を銀行にとって借り換えられると痛い時期にした方が、交渉に応じてもらいやすくなります。
以下で交渉のタイミングについてご説明します。
決算前の時期
決算前の時期(1月頃)は金利引き下げにとてもおすすめなタイミングです。
銀行は各支店ごとに、期末融資残高のノルマを抱えています。
期末前になると、このノルマを達成するために融資する企業を探し回っている場合が多いです。そんな中で、融資残高の多い住宅ローンを借り換えられてしまったら、その支店のノルマ達成ができなくなってしまう可能性が高くなってしまいます。
このことから、期末前に銀行に借り換えの話をすれば、金利を引き下げてくれる可能性が高くなります。
ただし、反対に決算期の3月は、やめておきましょう。銀行員が一番バタバタしている時期で、交渉に対応している余裕がないと言われているので避けましょう。
固定期間が終了するとき
固定期間が終了する時は、一般的に金利が上昇してしまいます。
ですから、このタイミングで借り換える人が多くいます。
銀行側もこのことは認識しているので、「金利が上がるのなら借り換えを検討する」と言えば、金利の交渉に応じてくれる可能性が高くなります。
他の銀行の金利が下がっているとき
他の銀行が金利を下げたときも金利が下がる可能性が高くなります。
他の銀行が、キャンペーンなどで金利を大きく下げたりすると、今借りている銀行は、「他の銀行に借り換えられてしまうのではないか」と心配します。
そのようなときに、他の銀行が低金利であることを使って交渉すれば金利が下がる可能性が出てきます。
特に、同じ地域の地方銀行同士、信用金庫同士の場合だと、近くの銀行に借り換えられてしまうことをよく思わない銀行は金利を引き下げてくれることもあります。
住宅ローンの金利引き下げ交渉するときに気をつけたいこと
金利引き下げ交渉を行うのは、借り換えについてよく検討し、実際に借り換える覚悟で行うことが必要です。
実際には何も借り換えについて検討せずに、架空の銀行の適当な金利を述べたり、または審査を受けずに受けているかのようにすることはやめましょう。
ウソは絶対にダメです。悪印象になり、交渉が失敗に終わった場合、他の銀行での借り換えもできなかったというようなことにもなりかねません。
借り換えについてよく検討した後に交渉すると、借り換えが現実的なものであることを担当者にも理解してもらえます。
そのうえで、金利引き下げが可能なら、契約の継続も検討したいという希望を伝えるのがよいでしょう。
今の契約がある程度高い金利であれば、交渉に応じてもらえるかもしれません。
交渉で大切なことは、友好的にお願いする姿勢です。
金融機関とは住宅ローンだけでなく、いろいろな場面でつきあうことになる関係です。
あくまで金利引き下げはお願いする立場であることを忘れずに、交渉するようにしましょう。
住宅ローン金利引き下げ交渉まとめ
- 各銀行の金利や条件を比較する
- 不動産仲介業者と金利交渉する
- 銀行と金利交渉する
- 銀行の金利優遇制度を利用する
- 他の銀行で借り換えの仮審査に申し込む
- 金利引き下げの余地があるかを確認する
- 実際に担当者と金利引き下げの交渉をする
住宅ローンのおすすめの組み方や変動金利について、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
最後まで、読んでいただきありがとうございました。