住宅ローンの借り換えで親から子へ引き継ぐ方法は?解説します!

 

「住宅ローンの完済まで、まだしばらくかかるのに、定年退職を迎えてしまう。」

 

定年で同居している子どもにローンの引き継ぎを行いたいが、方法が分からないとお困りではありませんか?

 

一般的に、住宅ローンを引き継ぐ場合は、「債務引受」を行ない、銀行などに審査してもらいます。

 

しかし、審査が厳しいのが現状です。

 

解決策として、借り換え時に、親子リレーローンを組むことで、子どもに引き継ぐ事ができます。

 

ところで、親子リレーローンってどんな仕組みなのか?

 

そして、ペアローンとの違い、ケースごとにおすすめする理由などを解説していきます。

 

住宅ローン借り換えで親から子に引き継ぐ方法とは?

 

以前借り入れしたローンを見直して、親子で借り換えしたいとお考えの方へ。

借り換え方法は、2つあります。

 

  1. 親子リレーローン
  2. 親子ペアローン

 

具体的にどのような仕組みなのか、詳しく解説していきましょう。

 

親子リレーローンとは?

ひとつの住宅に対し、親子で協力してリレー方式でローンを支払っていく方法をいいます。

 

ゆいか
フラット35の親子リレーローン例では、子だけでなく孫や配偶者にも、ローンの支払いを変更できる場合もあるわよ。

 

子世代の年齢によって借り入れられる期間を計算するので、借入期間が長くできるのが特徴です。

 

また、借入期間が長いため、月々の返済額も低く抑えることができます。

 

親子ペアローンとは?

親子ペアローンとは、親子2人で住宅ローンを分担して支払っていく方法をいいます。

 

それぞれ親と子個々で、住宅ローンの借り入れ契約をし、支払いは2人同時進行で返済開始していきます。

 

購入した物件は共有名義の物になりますが、持分の割合はというと、頭金の出資額と借り入れ分の割合で決まり、お互いに連帯保証人として契約することが条件です。

 

片方が支払えなくなったら、片方が弁済しなくてはいけないという仕組みです。

 

住宅ローンを借り換えしないで名義変更のみできるの?

 

親のローンを引き継ぐ場合、「そもそも、そのまま名義変更だけすればいいのではないのでしょうか?」とお考えの方もいらっしゃると思います。

 

結論から言うと、名義変更は可能ですが、住宅ローンの返済途中で名義変更を行うと大きく2つの問題があります。

 

住宅ローンで、名義を変更する場合は

 

  1. 住宅ローン契約に対する名義変更
  2. 所有不動産(物件)に対する名義変更

 

この2つの手続きが必要です。

 

2.所有不動産(物件)に対する名義変更」については所有者の名義変更をするのみの手続きなので、法務局に必要書類を提出すると完了します。

 

しかし、「1.住宅ローン契約の名義変更」ができるケースが非常に少ないです。

 

なぜかというと、住宅ローンを借り入れる際に、契約者の職業や年収、信用度、他にローンを組んでいないか…などの審査を経て融資をしているもの。

 

返済能力を判断して融資をしているので、約束が成り立たなくなってしまいます。

 

ゆえに、名義変更が難易度が高いと言われる理由です。

 

では、「2.所有不動産(物件)に対する名義変更」だけをおこなって良いのでしょうか?

 

不動産の所有権を勝手に変更してしまうと、金融機関に知られた場合、契約違反になってしまいます。

 

ゆいか
契約違反になると、残りの住宅ローンの一括返済を求められる場合も考えられるので、絶対にやめておくべきね。

 

このような問題があるため、解決策は「親子リレーローン」や「親子ペアローン」を利用して借り換えすること。

 

住宅ローンを引き継いだり、一緒に支払うことで、親子で解決していきます。

 

住宅ローンの借り換え【親子リレーローンの条件】

 

親子リレーローンの条件について詳しく見ていきましょう。

 

1.年齢制限について

親子リレーローンとは、ひとつの住宅に対し、親子で協力してリレー方式でローンを支払っていく方法をいいます。

 

通常の住宅ローンでは、80歳までに返済を完済するというのが条件となっています。

 

そのため、高齢での長期の住宅ローンは審査が下りないことがほとんどです。

 

しかし、親子リレーローンの場合は、借り入れ可能です。

 

借り入れ時の一般的な年齢制限は、子どもは満20歳以上親は70歳未満となります。

 

また、返済を引き継ぐ子は1名なので、誰がローンを引き継ぐのか、しっかり話し合って決めておきましょう。

 

複数の子ども世代と同居する場合でも条件は同じです。

 

後々、兄弟でもめないようしっかりと話をしておきましょう。

 

2.親子の同居について

金融機関にもよりますが、親子リレーを利用する条件は、現在同居中の親子、または将来同居を考えている親子がほとんどです。

 

ゆいか
フラット35なら、後継者の同居の有無は必須ではない場合もあるのよ。

 

利用したい金融機関の条件をしっかり調べておきましょう。

 

3.収入について

収入については、親子安定した収入があることが条件となります。

 

どちらかが、退職や転職したばかりなど、収入が安定していないと、条件を満たしていないことになり、借り入れの審査が下りない場合もあります。

 

4.団体信用生命保険について

団体信用生命保険加入については、親か子、片方だけ加入でよい場合両方とも加入することが条件の場合どちらのケースもあります。

 

金融機関によっては、親と子両方が、団体信用生命保険の加入必須を条件とする場合もあります。

 

住宅ローンの借り換え【親子ペアローンの条件】

 

次は、親子ペアローンについての条件を詳しく見ていきましょう。

 

1.年齢制限について

一つの住宅に対し、親子2人で借入額を分担することが、親子ペアローンの特徴です。

 

別々の名義で借り入れします。

 

借り入れの返済は、2人同時に支払いを始めていき、購入した物件は共有名義の物になりますが、持分の割合はというと、頭金の出資額と、借り入れ分の割合で決まります。

 

また、お互いに連帯保証人として契約することが条件です。

 

そのため片方が、万が一収入が激減して支払えなくなった場合、もう片方が弁済しなくてはいけないという仕組みとなります。

 

年齢制限については、親と子の各年齢で判定します。

 

親子リレーローンより審査は厳しく、年齢制限があります。

 

それは、親の完済年齢が80歳未満ということ。

 

ペアローンでは必須の条件となりますので、必ずチェックしておきましょう。

 

2.親子の同居について

親子リレーローンと同様、現在一緒に住んでいる親子、または、将来的に同居を考えている親子が、親子ペアローンを利用する条件となります。

 

3.収入について

親と子それぞれ協力し合って支払いを行います。

 

双方、安定的な収入があれば、審査を通過することができるでしょう。

 

また、片方の収入が十分な場合は、割合を調節することもできるので、互いに協力し合って完済することができます。

 

4.団体信用生命保険について

団体信用生命保険加入についてですが、親子ペアローンの場合は、親子両方の加入が必須となります。

 

理由は、支払いが両者同時進行で行われているためです。

 

親世代が死亡や高度障害などによって、返済不能の事柄が生じても、団信に双方加入しているため保険が適応され、子世帯は肩代わりする必要はありません

 

子世帯が自分の住宅ローンのみを返済すればよいので、将来的に総返済額が減る可能性もあります

 

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2020年4月19日

 

親子リレーローンと親子ペアローンのメリット・デメリットは?

 

親子リレーローンと、親子ペアローンのそれぞれのメリット・デメリットをまとめてみました。

 

両方のローンの仕組みをしっかり確認し、検討していきましょう。

 

親子リレーローンのメリット・デメリット

では、まずは親子リレーローンのメリットとデメリットを見てみましょう。

 

メリット
  • 親世代が高年齢でもローンが組みやすいこと
  • 借り換え時に、親子リレーローンに変更することでローン引き継ぎがスムーズに行える
  • 返済期間が親から子の長い期間なので、月々の返済額は安くなる
  • 親と子の両方が住宅ローン控除に適用される

 

デメリット
  • 返済途中に、親がなくなってしまっても、そのまま返済を引き継ぐことになる
  • 住宅ローンを返済中に親世代が定年になってしまった場合、所得税や住民税の控除がうけられなくなる可能性がある

 

親子リレーローンは、親が高齢でも借りられること、親から子の世代にローンを引き継ぐため、月々の返済額は安くなります。

 

しかし、親が団体信用生命保険に加入せずに親名義の時点で亡くなってしまった場合には、子が残債分をすべて引き継ぐことになります。

 

その場合、登記上の住宅の持ち分とローンの支払い割合が変化してくるので、金融機関の担当者や法律の専門家に相談することをおすすめします。

 

親子ペアローンのメリット・デメリット

次に、親子ペアローンのメリット・デメリットを見てみましょう。

 

メリット
  • 2世帯の収入で審査するので、個人1人よりも大きな額の借り換えを検討でき、1人の返済負担を減らせる
  • それぞれ団信に加入するので、万が一親世代が亡くなっても、子世代は肩代わりしないで自分のローンのみ返済になる
  • 親子それぞれ住宅ローン控除できるので、節税になる

 

デメリット
  • 2本のローンを組むことになるので、親子両方が審査を通過しないといけない
  • ペアローン契約時の手数料のコストが倍になる
  • 必要額以上に借り換えしてしまうと、後々収入減になった場合に苦しい状況になってしまう
  • 収入減などで片方が支払えなくなると、もう片方が連帯保証人として弁済しなくてはいけない

 

親と子両方の名義で借りることになるペアローンは、収入や年齢制限などの上限があり、リレーローンより審査は通りにくいというデメリットがあります。

 

しかし、双方に安定した収入があり、親世代もまだ現役なら、大きな融資額を得ることができ、残債が多額のまま借り換えを検討している方には好条件です。

 

親世代がなくなった場合は、双方、団体信用生命保険に加入しているため、親の返済額は引き継がず、将来的に支払総額が減少します。

 

親子リレーローンと親子ペアローン、借り換えにおすすめのケースは?

 

親子リレーローンと親子ペアローンのそれぞれの違いやメリット・デメリットを見ていきました。

 

次は、それぞれどんなケースが利用するのに適しているのか、詳しく見ていきましょう。

 

親子リレーローンをおすすめするケース

  • 借り換え時に、2世帯住宅のリフォームなどを考えている場合
  • 借り換え時に、親子リレーローンに変更し、ローンの引き継ぎをスムーズにしたい場合
  • 親の収入だけでは借り換えが難しい場合

 

親子ペアローンをおすすめするケース

  • 借り換え時、2世帯の収入で審査し、1人の返済額の負担を減らしたい場合
  • 親世代が完済年齢時80歳未満の場合
  • 住宅ローン控除をフルに活用したい場合
  • 親と子両方で団体信用生命保険に入り、生命保険代わりとしたい場合

 

いずれの場合も、親と子協力しての借り入れになりますので、単独より大きな融資を得ることができます。

 

どちらが、自分の家庭に適しているのか、よく話し合い、返済を検討していきましょう。

 

「住宅ローンの借り換えで親から子へローンを引き継ぐ方法は?解説します!」まとめ

 

親が組んだ住宅ローンの名義を、子の名義に変更することは難しく、借り換え時に、「親子リレーローン」や「親子ペアローン」を利用するのが望ましいことが分かりました。

 

ただし、親子リレーローンは、名前の通り「親から子へローンを引き継ぐ」仕組みです。

 

返済時、親の名義のまま亡くなった場合でも、返済がなくなるわけではありません。

 

一方、親子ペアローンの場合は、2つの名義で契約し、親が亡くなった場合は、団体信用生命保険に入っているため、親の分の返済分はなくなります。

 

しかし、親と子、双方が安定した収入があること、または年齢制限などで審査するので、誰しもペアローンを組めるわけではありません。

 

また、親子両方とも、返済途中の場合で片方が万が一支払いができなくなった場合は、連帯保証人を互いに引き受けているため、弁済をしていかなければなりません。

 

それぞれのメリット・デメリットをよく確認し、自分の家庭にはどちらが適しているのか、検討くださいね。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

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