やっと探し求めていた物件が見つかり、あとは住宅ローンの審査さえ通れば、夢のマイホームを手に入れることができるのに…
なぜか来るのはいつも審査落ちの連絡ばかり。
「え、なんで全然審査が通らないの!?」
と、疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
- ちゃんと働いているし、年収もそれなりに貰っているのに何で通らないの?
- 逆に住宅ローンが通る人ってどんな人?
- 住宅ローンの審査ってどこを見ているの?
- 審査に通らなかったら諦めるしかないの?
- どうにかして、審査に通る方法を教えてほしい…!
など、住宅ローンの審査が通らず不満や悩みを抱えている方がいらっしゃるでしょう。
もしかしたら、それ、とある理由から住宅ローンの審査に通らないのかもしれません。
今回は住宅ローンの審査に通らない人に考えられる原因から、審査を通過させるにはどうしたらいいのかまでお伝えしていきます。
なかなか審査に通らないからといって、やっと見つけた夢のマイホームをそう簡単に諦めるわけにはいかないですよね!
住宅ローンの審査が通らなくて困っている方、住宅ローンがそもそもどのようなものなのか知らないという方はぜひ読んで、参考にしてくださいね。
■目次
住宅ローンとは?
住宅ローンとは、住宅を購入する時に借りることができるローンのことです。
ただ、「家を買いたいので、ローンを組ませてください」といって簡単に組ませてもらえるものではありません。
なぜかというと…
自己資金だけでは希望の住宅を購入することができないという方に対し、何の保険もなくローンを組ませてしまうと、万が一借主側がローンを返済できなくなってしまった場合に、銀行は多大な損害を受ける可能性があるからです。
そのため住宅ローンを借りる際には、購入する住宅を「担保」にする事を条件としています。
万が一、ローンの返済ができなくなった場合に返済に充てるもののこと。
購入する住宅を「担保」とする事で、もし借主側がローンを返済できないという状況になった際、貸主側が住宅を売却しローンの返済にあてることができます。
ただ、住宅を担保にすることに同意したからといって、誰でもすぐにローンを借りられるわけではありません。
借りる前には本当に今後住宅ローンを支払いできるかどうか、審査が必要になります。
どこの誰かも分からない、本当に返してもらえる保証もない!となると、銀行側も困るわけですね。
では、一体どんな審査をするのでしょうか?
ここからは住宅ローンの審査がどのようなものなのか見ていきましょう。
住宅ローンの審査はどんなもの?
住宅ローンの審査には「事前審査」と「本審査」の二種類があります。
事前審査
事前審査とは本審査の前に行うものです。
住宅ローンの本審査には、購入したい物件の売買契約を済ませてからでないと申し込むことができません。
ですが、購入することに決めたのに「ローンが通らない…」なんてことになったら困りますよね。
そのため物件の売買契約をする前に、「事前審査」を行います。
本審査よりは簡易的ですが、ある程度は事前審査で住宅ローンを借りられる状態なのかどうかを判断されます。
事前審査は下記の項目について、自身で記入をしていく形になります。
- 完済時の年齢
- 健康状態
- 担保評価
- 借入時年齢
- 勤続年数
- 年収
- 連帯保証 など
【事前審査で特に重要視される点】
事前審査で特に重要視されている点は以下の項目とされています。
- 希望融資額
- 個人信用情報
- 申込者と金融機関の間での過去取引
- 今現在借りているローンの有無・内容
項目ごとに、どんな所を見ているのか説明していきましょう。
- 希望融資額の審査
記入した年収などをもとに、希望融資額が返済に無理のない適正な金額となっているかを審査します。
そのため、年収によって借りられる上限額が決まります。
銀行側は、申込者が自己申告にて記入した年収やローンの状況などを元に、融資できる上限額を算出します。
申込者の希望した融資額が、融資上限額内に収まっていれば適正な金額であると判断されます。
もし希望した融資額が、融資上限額内に収まっていない場合は審査に通らない可能性もありますので注意してくださいね。
- 個人信用情報の審査
個人信用情報って何?と思われる方もいそうですね。
普通に生活をしてたらなかなか聞かない言葉ですよね。
そもそも信用情報とは、クレジットやローン等の申し込み、契約に関する情報を言います。
主にCICに加盟するクレジット会社等から登録された情報となり、本人を識別するための情報が登録されています。
そのほか、クレジットの申込内容や契約内容、支払状況、残高などで構成されています。
つまり個人信用情報とは、個人の年収や住宅の情報、勤務先など及び、ローンや公共料金の支払いなどの情報のことを言うんですね。
毎月の支払情報だけでなく、滞納や支払い遅延などの情報も管理されています。
って、思う方もいらっしゃいますかね。
じつは、クレジットカードやキャッシング、各種ローンの申し込みをした際、必ず信用情報機関へ情報が送られるようになっています。
「許可してない」と思う方、気づいていないだけでカードやキャッシング等の申し込み書にはきちんとその旨が明記されていますよ。
そして、銀行側は信用情報機関へ連絡をし、申込者の個人信用情報を提供してもらうことができます。
申込者の個人信用情報を見て「異動」の記載がないか、また過去に自己破産などの金融事故をおこしていないかを確認しています。
- 申込者と金融機関の間の過去取引
申込者との間に過去に取引があるのかどうかの確認をし、長年預金等をしている方は、信用が高くなります。
- 今現在借りているローンの有無・金額
今現在他にローンは借りているのか、借りているのであればどのくらいの金額かを確認します。
借入金があると、融資できる額に影響が出てくるためです。
だいたいどんなことを事前審査で見ているのか、イメージできましたか?
ちなみに、事前審査にかかる期間は3~4日程度と言われています。
長くて1週間は見ておくとよいでしょう。
事前審査が通れば物件の売買契約を結び、本審査となります。
本審査
事前審査が通り、正式に物件の売買契約を結ぶと、本審査をすることができます。
本審査では、事前審査よりもさらに細かく厳しいチェックが行われるため、各種証明書類の提出が求められます。
【本審査での審査項目で重要視される点】
- 事前審査の内容に誤りがないか
- 返済能力が本当にあるのか
- 団体信用生命保険の加入は可能かどうか
- 担保評価はどの程度か
本審査では証明書類を見ながら、申込者の「返済能力」や「信用度」などを細かくチェックしていきます。
そのため、審査には1週間~1ヶ月程度かかります。
無事本審査を通過することができたら、晴れて住宅ローンを借りることができます。
住宅ローンの審査についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
審査に必要な書類や、審査項目ごとの詳しい解説もありますので、よろしければご覧ください。
又、仮審査と本審査の違いをもっと詳しく!という方はこちらの記事もご覧ください。
住宅ローンの審査が通らない人の原因とは?
住宅ローンの審査に通らない人にはある共通点があります。それはいったいなんでしょう?
審査に通らない原因は何か、見当がついていますか?
「原因なんて何もない!」と思っている方もいるかもしれませんが、審査を通らない人には、必ず何かしらの原因があります。
原因を突き止めて適切な対処をする事で、審査を通過できるようになるかもしれません。
ここからは審査が通らない人に考えられる原因をみていきましょう。
審査に通らない人の原因を知り、自分が審査に通らない原因は何なのか考える検討材料にしてくださいね。
希望融資額が適正でない
銀行側は、申込者の返済負担率と審査金利から計算して、融資上限額を出します。
年収における年間の返済額の割合のことです。
[年間返済額÷年収×100]で計算します。この比率が30~35%程度になるのが理想とされています。
返済負担率が35%以上になると、年収における返済の負担が重くなってしまうため、返済が滞ってしまう可能性が高いです。
融資上限額を算出する際に、銀行側が使う金利の事です。
現在は低金利が続いていますが、この先金利が上がる可能性も考えられるため、そういった場合でも返済が滞ることがないように審査金利を設定しています。
実際のローンの金利は1%未満が多いのに、審査だと3~4%まで引き上げて計算されちゃうというわけですね。
住宅の購入をする際は、融資上限額が予想よりも低くなることを念頭に入れて検討することが大切です。
【融資上限額の計算の仕方】
融資上限額を事前に知っておくことができれば、ローンを組みやすいと思いませんか?
実は融資上限額は自分で計算をして、大体の金額を把握することが可能です。
ここからは計算の方法を説明していきます!
まず、年収を元に、年間返済額の上限額を出します。
年間返済額の上限額が分かったら、下記の計算式を利用することで、融資上限額を算出することが可能です。
下記の表は返済負担率30%、年利4%の場合の100万円あたりの返済額です。
(年数は79-現在の年齢か、35年のうちどちらか短い方を選びます。)
年数 | 35年 | 34年 | 33年 | 32年 | 31年 |
金額 | 4,428円 | 4,488円 | 4,552円 | 4,621円 | 4,695円 |
年数 | 30年 | 29年 | 28年 | 27年 | 26年 |
金額 | 4,774円 | 4,860円 | 4,952円 | 5,052円 | 5,160円 |
年数 | 25年 | 24年 | 23年 | 22年 | 21年 |
金額 | 5,278円 | 5,407円 | 5,548円 | 5,702円 | 5,872円 |
希望の融資額が融資上限額を超えていた場合は、お金を貸し出すことができないため審査が通りません。
借入れしようとしている額が大きすぎないか、この先金利があがる場合はないかなど、本当に問題なく返済できる金額かどうか再度確認してみましょう。
他にローンがある
今現在、他に借りているローンなどはありますか?
自動車のローンやカードローンなど借りているローンが他にある場合、審査に通りにくいと言われています。
それは借り入れ金があると、融資上限額にも影響が出てくるからです。
では、借入金があるとどの程度の影響がでてくるのでしょうか。
ここでは年収600万円、35歳の方の融資上限額を計算してみましょう。
【年収600万円、35歳の方の融資上限額】
(返済負担率は30%、審査金利は4%、上の表内の年数35年で計算しています)
- 他の借入金がない場合
600万円×30%÷12÷4,428×100万円=3387万円
- 車のローンがある場合(毎月5万円の支払いがある)
600万円×30%-5万円×12=120万円(年間返済上限額)
120万円÷12÷4428×100万円=2258万円(融資上限額)
借入金がない場合と、毎月5万円のローンの支払いをしないといけない場合とでは、融資上限額になんと1,129万円もの差が出てしまいます。
ローンがあることで融資上限額が希望融資額よりも下回ってしまい、審査が通らないということも少なくありません。
他に借りているローンがある際は、できる限り完済してしまうのがおススメです。
信用情報に「異動」の記載がある
個人信用情報に「異動」の記載があると、審査に通るのはかなり厳しいとされています。
異動情報は個人の信用情報に傷がついた場合、「信用情報機関」にその情報が登録されることをいいます。
個人信用情報に「異動」と記載されるのは、いくつかの理由があります。
- クレジットカードや携帯料金などの支払い遅延、滞納があった場合
- 消費者金融からの借金の滞納があった場合
- 自己破産などの債務整理をした場合
- 代位弁済を受けた場合
- 強制解約を受けた場合
もし、個人信用情報に「異動」と書かれていた場合、ローンの審査は一発アウトと思っておいた方がいいです。
「異動」の情報は5年間消えないため辛いとは思いますが、情報が消える5年間の間は我慢して待つようにしましょう。
収入が不安定な職業に就いている
年収が高くても歩合制だったり、自営業やフリーター、契約社員であると、収入が安定していないと思われて審査に通らないことがあります。
団体信用生命保険に加入できない
団体信用生命保険とは、住宅ローンの借主が返済期間中に死亡したり高度障害となり返済不可能となってしまった場合に、残りのローンが全額返済されるという補償制度のことです。
ほとんどの金融機関が「団体信用生命保険へ加入すること」を審査通過条件の一つにしています。
ただこの「団体信用生命保険」は、審査が厳しく、基本的には健康状態の良い方しか加入することができません。
持病がある方は加入が難しい場合もあります。工夫が必要になることもあるので、注意してくださいね。
団体信用生命保険については、こちらでも詳しくお話をしていますので、どうぞ。
住宅ローンの審査に通らない人も諦めないで!通るようになる方法とは?
では、落ちてしまった場合、もう住宅ローンを諦めるしかないのでしょうか。
原因にもよりますが、審査に通るようになる方法はいくつかあります。
中には、時間が経つのを待つことでしか解決できない原因もあるのですが、そうでないことが原因の場合は、適切な対処をすることで、審査が通るようになる可能性があります!
ここからは、審査が通るようになる方法についてお話していきたいと思います。
書類に不備や間違いがなかったかを確認する
本審査では、証明書類と事前審査の項目を照らし合わせて間違いがないかチェックをしています。
もし、書類に不備があったり、間違いや嘘の記載があると審査に通りません。
そのため、書類に不備や間違いなどがなかったか再度確認してみましょう。
他のローンはできる限り返済する
先ほどもおつたえしましたが、車のローンなど他に借りているローンがあれば、できるだけ返済するようにしましょう。
できる限り返済し、借入金額や借入件数がへることで審査に通りやすくなります。
クレジットカードの整理をする
クレジットカードを複数持っていると、審査に不利になる場合があります。
その一つがキャッシング枠です。
キャッシング枠があると、その金額が融資上限額からひかれてしまいます。
使っていないクレジットカードのキャッシング枠のせいで、希望融資額に融資上限額が届かず、審査が通らないなんてことになっているのかもしれません。
使ってないクレジットカードがある場合は一度整理してみることをおススメします。
詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
「フラット35」を利用する
団体信用生命保険に加入できないがために、金融機関に断られてしまっている方は、「フラット35」の利用を検討してみましょう。
「フラット35」は団体信用生命保険の加入が必須ではないため、団体信用生命保険へ加入していなくても、ローンの契約をすることができます。
フラット35については、こちらでも詳しくお話していますので、気になる方は是非どうぞ。
他の金融機関を当たってみる
住宅ローンの審査の基準は、銀行や支店によっても異なる事があるんです。
そのため、数か所で断られたとしてもすぐにあきらめずに、他の金融機関や、同じ金融機関でも別の支店などに行ってみましょう。
しかし、短期間に複数の銀行を個人で仮審査を受けてしまうと、信用情報にかかわることもあります。
もし複数の銀行にあたられるのであれば、一括審査サービスをご利用になられることをオススメします。
詳しくはこちらをご覧ください。
物件の対象エリアの金融機関をメインバンクにする
ローンを貸す金融機関側にしてみれば、メインバンクにしてもらった方が、給料の振り込みもあるし物件の管理もできるため、安心材料が増えます。
安心材料が増えると、信用度があがり住宅ローンを組ませてくれる可能性も十分考えられます。
住宅ローンを借りるなら、メインバンクを変更してみてもいいかもしれませんよ。
今はネット銀行も増えていますし、借入を行う銀行で口座を作ることは必須条件にもなりつつあります。
自身の銀行はどうか、必ず確認を行いましょう!
住宅ローン審査が通らない人の原因から審査通過する方法のまとめ
今回は、住宅ローンの審査について、審査はどのようなものなのかから、住宅ローンの審査に通らない人の原因、審査を通過させる方法までお話させていただきました。
審査に通るように色々考えることは大事だけど、なんだかんだ一番大事なのは諦めないってことよね。
せっかく素敵な物件に出会えたのに、住宅ローンに通らないからってすぐ諦めるのは本当にもったないです。
原因にもよりますが、現状でできるところを改善し、他の金融機関を当たれば貸してくれる金融機関もあるかもしれません。
なかなか審査に通らないと落ち込んでしまいがちですが、諦めずにまずはなぜ自分は審査に通らないのかをしっかり考えて、審査に通るような行動を起こしていきましょう!
- 希望融資額が適正でない。
- 他にローンがある。
- 信用情報に「異動」の記載がある。
- 収入が不安定な職業に就いている。
- 団体信用生命保険に加入できない。
- 書類の不備の確認。
- 他のローンをできる限り返済する。
- クレジットカードを整理する。
- フラット35を利用する。
- 他の金融機関の仮審査も受ける。
- 物件対象エリアの金融機関をメインバンクにする。
読者のみなさんが、住宅ローンの審査に受かって、夢のマイホームでの快適な生活を手に入れられることを願っています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それほど、返済能力の有無を厳しく審査されるのね。