住宅購入では今はローンを組むのが一般的ですね。
銀行によって、金利もさまざまです。
月々のローンがどれくらいになるのか。自分で計算してみようと思うけどわからない。
計算の仕方がわかっても、計算が合わないかもしれないってこともあるかもしれません。
そんな時に便利なのが、表計算ソフト「エクセル」
難しい計算もエクセルを使えば、簡単に正確に月々の返済額を計算することができます。
今回はエクセルを使った住宅ローンの金利計算方法をお教えいたします。
■目次
住宅ローンの金利計算!!そもそも金利とは?
そもそも金利ってなんのことでしょう。
ここでいう金利とは”住宅ローンの借入金額に対して支払わねばならない利息の割合“のことを言います。
元金 → 借りたお金そのものの額
利息 → 借りたお金に対して支払う金額
金利 → 利息の割合(%)
この元金と利息の額によって、月々の返済額というのが変わっていきます。
金利については、こちらの記事でさらに詳しくお伝えしていますよ!
そして、住宅ローンの返済には2つの方法があります。
元利均等返済方式
毎月の返済額が固定される返済方式。
元金と利息の合計額が一定に設定されています。
元金均等返済方式
元金を返済期間で均等に割ることで、月に返済する元金を一定にする方法です。
つまり、月々の支払いは”固定した元金“に対して利息が付いてくる形になります。
今回は住宅ローンで一般的な「元利均等返済方式」で計算する方法をお伝えいたしますね。
住宅ローンの計算方法!!知っておきたい住宅ローンの計算式
さて、住宅ローンの中で知りたいところと言えば、「毎月の返済額」だと思います。
毎月の返済額 =借入金額 ×{月利(1+月利))返済回数 /(1+月利)返済回数-1
※月利とは1ヵ月あたりの金利。「年利÷12ヵ月=月利」となります。
そんな時こそ、エクセルの出番なんです!
エクセルの関数を使えば、このややこしそうな式でも正確に計算してくれるんですよ!!
住宅ローンの金利計算!エクセルを使って実際に計算してみよう!
という風に思うでしょう。
そこで、エクセル初心者にもわかりやすいように、図を見せながら順番に説明していきますね。
住宅ローンの計算にエクセルを使うメリットは
- 手計算が不必要
- 数式が正しければ、正しい計算結果が出る
- 難しい計算を一気にしてくれる
「でも、エクセルを使うと言っても、上に書いてあるややこしそうな式を直接入力するの?」と不安になりますよね。
上の難しそうな計算式を入力せずとも、エクセルの関数を使えば簡単に計算してくれますよ。
エクセルにおいて関数とは、
“複雑な計算を1つの数式で簡潔に書けるよう登録された計算の仕組み“です。
今回は下で紹介している3つの関数を使いましょう。
- PMT関数 ・・・1回あたりの返済額
- PPMT関数 ・・・返済額のうち、元金はどれだけか
- IPMT関数 ・・・利息分はいくらなのか
と思いますよね(笑)
とりあえず、読んでみてください。
下準備 必要情報の入力
まずは関数で計算をしていく前に下準備をしましょう。
関数を組んでいく時に必要な情報となります。
ここで必要になる数字は借入金、返済期間(月数)、利率です。
まずは必要事項を入力していきます。
例)借入金3,980万円、返済回数360回(30年)、利率3%とします。
一回当たりの返済額は「PMT関数」
PMT関数は1回あたりの返済額を計算してくれる関数です。
数式は以下になります。
=PMT(利率,期間,現在価値,将来価値,支払期日)
もう何か知らない単語が出てきましたよね。
とりあえず、解説しますね。
利率 | %で入力。利率と期間の単位を揃えて記入。 (今回は月ごとの返済額の算出なので、年利/12ヵ月) |
期間 | 回数で入力。利率と単位を揃えて記入。 (今回は月ごとの返済額の算出なので、年数×12ヵ月) |
現在価値 | 借入金額を記入。 |
将来価値 | 返済後の残金を記入。 |
支払期限 | 機種払いは「1」、期末払いは「0」と記入。 |
では、実際に計算していきましょう。
セルに直接、「=PMT()」の数式を入力することもできますが、最初は関数挿入ボタンから選んだ方がわかりやすいでしょう。
タブ「数式」→財務→PMTの順にカーソルを合わせてください。
クリックすると、PMT関数の入力項目が出ました。
順番に対象のセルを入力していきましょう。
数式に表記すると下記になります。
=PMT(C12/12,B2,A2,0)
この数式をわかりやすく説明すると、
=PMT(3%/12,60回,借入金3,980万円,将来価値「0」)
と入力していることになります。
利率は「●/12」と記入してください。
ここでの利率は年利でセルに入力されているので、数式内で月利になるよう計算式を入れます。
入力が完了したらOKを押してください。
すると、月々の返済額が出ましたね。
セル内の数式は図の通りになります。
無事に返済額が出ましたね。
エクセル関数には”正確に打たなければ求められないというセオリー“があるのですが、今回の「将来価値」と「支払期日」の入力がなくても省略できます。
ですので、今回の「支払期日」は省略しております。
では、次に元金の計算へいきましょう。
返済額のうち、元金を求めたい時は「PPMT関数」
「元利均等返済方式」の特徴として、毎月の返済額は一定ですが、元金も利息もその月々で内訳が変わります。
1回ごとの支払いのうち、元金がどれくらい支払われているのか。
PPMT関数がそれを求めてくれます。
数式は以下になります。
=PPMT(利率,期,現在価値,将来価値)
「期」とは支払回数の何回目かを指します。
あとはPMT関数の時と入力することは変わりませんので、必要事項を入力し、実際に数式を入れてみましょう。
表に元金の欄を作りました。
タブ「数式」→財務→PPMTにカーソルを合わせてクリックしましょう。
PPMT関数の入力画面が出てきました。
今回出てきた「期」の欄には支払回数の入ったセルを指定してください。
数式に表記すると下記になります。
=PPMT(C12/12,A6,B2,A2,0)
この数式をわかりやすく説明すると、
=PPMT(3%/12,支払回数1回,借入金3,980万円,将来価値「0」)
無事に元金が求められました。
エクセルでローンのシュミレーション管理だなんて、できる人って感じよね。
返済額のうち、利息を求めたい時は「IPMT関数」
先ほどのPPMT関数で元金が求められているので、利息は「月々の返済額-元金=利息」で出すができます。
でも、利息バージョンの関数も紹介しますね。
=IPMT(利率,期,期間,現在価値,将来価値)
まずは利息分を入力できるように下準備をしましょう。
タブ「数式」→財務→IPMTにカーソルを合わせてクリックしましょう。
記入の仕方はPPMT関数と同じになります。
=IPMT(C12/12,A6,B2,A2,0)
この数式をわかりやすく説明すると、
=IPMT(3%/12,支払回数1回,借入金3,980万円,将来価値「0」)
こんな感じですね。
OKを押して算出してみましょう。
これで利息分が出ましたね。
住宅ローン金利計算方法!!についてのまとめ
今回は住宅ローンの金利計算方法についてご紹介しました。
住宅ローンの金利計算は、計算式がとても複雑で自分で行うのは大変です。
その中で、電卓を使わなくても、正確に計算ができる方法の一つにエクセルがあります。
月々のローン支払い額や元金、利息の内訳までも、ちょっとした工夫をすることで簡単に見られるとしたら嬉しいですよね。
また、これらの関数たちを組み合わせることで、オリジナルの住宅ローンシュミレーターを作ることも可能にしてくれます。
興味のある方はぜひ組み合わせて作ってみてください。
エクセルは難しいというイメージがあると思います。
でも、便利な機能があるのです。
- 住宅ローンの計算をエクセルですると、手計算いらず、正確な結果が出る!!
- 住宅ローンの計算に必要な関数はPMT関数、PPMT関数、IPMT関数!!
ややこしい計算をエクセルは読者様のかわりにしてくれるのです。
この機会に、便利なエクセルを一度使ってみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。