近年では日本人の15人に1人はうつ病にかかったことがあると言われています。
決してめずらしい病気ではなく、誰に起こってもおかしくないことです。
今の時代を忙しくまじめに生きていて、いつの間にか心の病にかかっていたショックは大きいでしょう。
ショックの中でも懸命に自分と家族の将来を思い、生活設計を見直して住宅ローンの借り換えを考える方も多いと思います。
うつ病は住宅ローンの借り換えにどのように影響するのでしょうか。
■目次
うつ病になると住宅ローンの借り換えができないの?
うつ病になると住宅ローンの借り換えが出来なくなるということはありません。
けれど、有利な条件で借り換えができる可能性が健康な時より減少します。
借り換えは住宅ローンの借り直し
住宅ローンの借り換えの目的は支払い額を減らすことですよね。
以下の条件になるなら、手続きにかかる費用を差し引いても、借り換えのメリットの方が大きいと言われています。
- 借入金残高が1000万円以上
- 返済期間の残りが10年以上
- 金利差が1.0%以上
「住宅ローンの借り換え」というと特別なことのように聞こえますが、新しい金融機関から融資を受け、今の住宅ローンを全額繰り上げ返済することです。
新しい金融機関で住宅ローンを組むには、今の金融機関でローンを組んだ時と同じような審査を通過する必要があります。
いくつかの審査の中で、読者様が気になっている「健康状態について」が問題になるのは、団信加入の審査です。
団信については、初めて住宅ローンを組んだ時にはあまり気にしていなかったかもしれませんね。
団信加入について
【団信とは】
団信とは生命保険の一つで、住宅ローンの契約者が死亡または高度障害の状態になった時などに、契約者に代わりローンを完済してくれるものです。
住宅ローンを借りる際に団信への加入は義務付けられています。
団信は1つの住宅ローンに1つ設定するものなので、ローンの借り換えの時に以前の団信は消滅し、新しい団信に加入する必要があります。
【告知について】
団信に加入する時には健康に関する告知が必要になります。
一般的な告知は以下のような内容です。
- 最近3ヵ月以内に医師の治療(指示・指導を含みます)・投薬を受けたことがありますか
- 過去3年以内に以下の病気で手術をうけたこと又は2週間以上にわたる医師の治療(指示・指導を含みます)・投薬を受けたことがありますか
「以下の病気」の中に身体の病気と並び、精神病、うつ病、神経症、自律神経失調症などが挙げられています。
つまり、うつ病だけが特別に住宅ローン借り換えに不利ということではなく、他の病気と同じくらいです。
うつ病で治療を受けたことがあっても、告知の内容に当てはまらなければ申告する必要はありません。
【嘘の告知をした場合】
「告知の内容に当てはまる場合でも隠して申告し、ばれなければ大丈夫」という話を耳にすることがあります。
嘘の告知をして団信の加入ができて、有利な条件で住宅ローンの借り換えが成功したとしても、もしもの場合に保険料が支払われないのなら保険の意味がありません。
その場合ご自身、またはご家族に大変な負担がかかることになります。
なにより、何十年もの間その不安を抱えながら暮らすのはやはり大きなリスクだと思います。
また、該当する病気を告知しても団信加入が認められる場合もあります。
「ワイド団信」という、より間口の広い団信もあります。
ワイド団信
ワイド団信とは健康状態での引き受け範囲が広くなった団信で、通常の団信に加入できない健康状態の方でも加入できる可能性が高くなります。
保険料は普通の団信より高めになるので、その結果金融機関に返済するローンの金利が0.2~.0.3%上がります(通常、団信の保険料は金融機関が負担するため、その分の金額が金利に上乗せされます)。
その上で、今のローンより1.0%以上のマイナスが見込めるなら、借入残高や返済期間を考慮して、借り換えを検討しましょう。
次に、団信加入が義務化されていない住宅ローンをご紹介します。
フラット35
フラット35とは住宅金融支援機構と民間の金融機関が提供している住宅ローンです。
フラット35(買取型)では団信加入が任意なので、健康上の理由で団信加入ができない方でも利用できる可能性が高くなります。
その他のメリットもたくさんあります。
- 金利が完済まで変動なし
- 民間金融機関の固定金利ローンより金利が低い
- 勤続年数による制限がない
- 保証料、保証人が不要
注意点として、フラット35では建物に対する審査が重要になりますので、検査機関による物件検査と証明書が必要になります。
フラット35について詳しくはこちら
住宅ローン一括審査サイト
数ある金融機関の中から自分にとって一番適切なものを選ぶのは大変です。
うつ病ということならば、地元の金融機関をいくつも回るというのは特に気の重いことでしょう。
住宅ローン一括借審査サイトでは、借り換えについても審査を受けることが可能です。
一回の申し込みで複数の金融機関の仮審査が受けられるので、時間と労力を大幅にカットすることができます。
一括審査サイトを2つ紹介します。
住宅本舗
約70の銀行の中から、同時に最大6銀行の仮審査を同時に受けられます。
仮審査の費用は無料です。
手数料、保障内容、総支払額などを検討し、金融機関を選んだうえで本審査の申し込みができます。
住宅本舗について詳しくはこちら
モゲチェック
株式会社MFSが運営するオンラインサービスです。
約5分間で入力できる情報の入力で、全国の数ある住宅ローンの中から審査に通る可能性が高く、金利の有利な物を提案してくれます。
*金融機関の紹介ではなく、住宅ローンそのものの提案が受けられるのがポイントです。
提案までの費用は無料です。
提案を元にご自身で金融機関の本審査を申し込みます。
住宅ローンを借り換える時うつ病はどのように影響するの? まとめ
住宅ローンは数十年に及ぶことが多く、その間に思わぬ病気にかかることもあるでしょう。
うつ病にかかると他の病気にかかるのと同じように、住宅ローンの借り換えには不利になります。
また、うつ病にかかった場合、他の病気以上に精神的負担を減らしたいものです。
将来への金銭的不安を減らすため、住宅ローンの金利や手数料を、できるだけ減らしたいお気持ちは分かります。
今できる範囲の借り換え努力はやってみましょう。
それでも無理だった場合は、住宅ローンを組んだ時の気持ちに戻ってみるのはいかがですか。
素敵なお宅で過ごした日々は、そのローンのおかげなのですから。
ご家族を信じてみるのはいかがですか。
パートナーは最善を尽くそうとしてくれているのではないでしょうか。
小さいお子様と一緒に過ごす時間を増やすのもいいでしょう。
受検をひかえた息子さん、娘さんがいらっしゃいますか。
わが子の望み通りに教育資金を出してあげられないのは、親として辛いことです。
でも十代後半の若者は、大人に守られるだけの、弱い存在でしょうか?
彼らは若くて私たちより未来が長く、体力もありますよ。
高額な予備校に通い大学に現役合格する若者と、親の病気のために1,2年出遅れても工夫をして乗り越え、思いやりを持ち続ける若者を比べてみてください。
ズバリ、どちらが出世しそうだと思いますか?
また、どちらが成功する時代でしょうか?
うつ病を改善する方法はたくさんあります。
読者様の人生に輝きが戻ってくることを心から願います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。